きえもの

きえもの 166

先生との事⑭ -浙江省の旅⑦-
 
 すんのかい?せんのかい?大いにもめた末に9月18~19日岸和田祭が開催されました。皆さまがよくご存知なのは我が「沼町」を含む「旧市地区」の22町の曳行です。市内外から非難の嵐でしたが、2週間もしないうちに緊急事態宣言が解除になるなんて「間が悪い」とはこの事。「疫病退散!」を祈った神事。その後感染者の激減は「祭のお陰」ということにして、「本当の日常」を早く取り戻したいものです(写真1)。
 
解除まであと1日の9月末。止めときゃいいのに「府・府つながりやし、どうせみんな行ってるんやろし」なんて身勝手に目指したのは「京都」。乱心の私は大正解!いや大反省。自粛の果ての嵐山。もう死ぬまでこんな風景を見ることはないでしょう。ほぼ人のいない「渡月橋」に「嵯峨野の竹林」なんて。以前から嵐山に行けば訪ねたいと思っていた「周恩来詩碑」留学中に作られた「雨中嵐山」が刻されています。以前訪ねた故郷江蘇省「淮安」の「周恩来故居」で同詩の木刻が展示されていたことを思い出しました(写真2、3)。
 
 いよいよ最後の訪問地「天台山・雁塔山」大自然を生かした観光地です。当時は上海などからアクセスが良いとはいえないので、日本人はあまり訪ねない場所だろうと思います。しかしながら不便な所ほど見どころが多いというのが観光地の常。前回ご紹介した「国清寺」から車で約1時間。「山梁の滝」があります。名前の通り滝の前に石橋が架かる名瀑です。橋の上を「中方広寺」と「下方広寺」の僧侶が行き来するといいます。映画「少林寺」の撮影でも使われました(写真4)。
 
 「雁塔山」この一帯は1.2億年前に隆起した巨石が点在します。きっとロッククライミング愛好家には堪らない場所でしょう。岩の山脈がどこまでも続きますが、見どころは「大龍湫」です。落差約200mもある大きな滝ですが、乾季のため「チョロチョロ」なのは残念でした。川村龍洲先生の「龍湫」は故福本雅一先生と以前訪れた際に頂いたのだと伺いました(写真5、6)。
 
 杭州で大喧嘩してから口も利かなかった斯さん。今も続く交流になろうとは。旅は人の人生を変えることもあるようです。


写真1
今年新調の団扇の文字だけ書いて私は自粛です。

写真2
人が殆ど見えない嵐山公園の中に見事な石碑です。

写真3
故居の木彫。日本との思いが篤いのだと感じました。

写真4
アップダウンが多い場所ばかりで、先生は少々お疲れ気味でした。

写真5
絶景の連続。あまりの見どころに息もつけない濃い旅でした。

写真6
再び大龍湫を前にして。私もいつか再びもっと勉強して行きたい旅です。