きえもの 156
先生との事④ -西安・洛陽の旅③-
璞社書展も終わり愈々歳末。今年1年のご挨拶もかねて高野山を訪ねました。大学時代過ごした街並みは殆ど変わることはなく、間もなくやって来る極寒の修行道場への準備が進んでいるようでした。平成28年10月に書かれ、奉納された「大象般若心経」四曲一双の大屏風が迎えてくれる「遍照尊院」に伺いました。目黒ご住職は「正面玄関に飾らせていただいてお越しのお客様からとても好評で、特に外国人のお客様には書かれている内容をご説明しますと、感動されて記念撮影を何度もされる程です」と。「大象先生の柔らかくて温かい文字から何かが伝わるのでしょう」とも。避暑地としてご存知の方は多いでしょうが、この地で暮らした私は圧倒的に厳しい冬の高野山がお薦めです。節分の頃が最高でしょう。コロナ撲滅を祈って、そしてぜひとも先生の屏風をご覧にお訪ねください(写真1)。
書人としての洛陽は聖地。先ずは朝から郊外孟津(モウシン)県へ。ここは王鐸の故郷で記念館があります。郊外に来るとやはり黄土高原であることを感じます。ガイドさんによると「水が少ない地域です。皆さんのおかげで昨晩はお泊りのホテルのお風呂に入れました」とのこと。砂埃を巻き上げながらバスで約1時間「擬山園帖」の展示されている「王鐸記念館」に到着しました。大いに盛り上がったのは記念館右隣の生家。訪ねてみると末裔の奥さんとそのお子さんが出てきてくれて記念撮影です(写真2)。
中国三大石窟の1つでご存知世界遺産「龍門石窟」に到着しました。書の勉強に臨書する「龍門20品」はこの地にあります。石窟のほぼ中央に彫られた「毘盧遮那仏」の表情は極めて優しくご加護を感じる事ができました。3月の中旬まだ気温は低く、目の前を流れる「伊河」からの風を浴び、震えるような寒さに「早くご飯にしよう!」ということで予約した洛陽市内の店を急遽キャンセルして駆け込むように対岸の高級店に。冷えた体に沁みる洛陽名物のスープ料理が堪りませんでした(写真3・4)
食事の後白楽天の墓にも参って益々の健筆を祈り帰国の途に着きました(写真5)。
写真1
璞社錬成会でも過去にお世話になりました。
写真2
この子も今は大きくなっていることでしょう。
写真3
いい写真です。
写真4
身体も温まり笑顔が溢れます。
写真5
良い作品が書けますように。