きえもの

きえもの 151

阮元の故郷②
 
 結局我が「岸和田祭」は中止になりました。聞くところによると開催中無数ともいえる怪我人等(特に熱中症)を受け入れる病院の関係や、引手の勤める会社の理解が得られない(参加したら2週間は出勤停止)などの理由を聞きました。本当に残念ですが聞けばやむを得ない事情ばかりです。そんな中届いた第60回璞社書展開催の知らせは嬉しい限りです。表彰式・祝賀会の中止は残念ですが、楽しみはまた来年に。私はコロナ生活でヨレヨレなメンタルに気合を入れ直し、60回目。璞社の集大成ともいえるこの場に出品できる喜びを感じ「力の限りの作品を発表する!」頑張って取り組みます。
 (前号から続き)故居を散策中突然「阮元の生まれた街行きたい?」実は昨日の宴会もお決まりの白酒パ―ティ。主催者のメンツの為に訳も分からず参加しているのですから、訳の分からないヤツからの酒も拒めずエライ目に合わされるのです。一方チョイ悪君は(中国人だし)お偉方に紹介して、自分のメンツは立つが酒は飲まなくてよいベストコンデション!「モー好きにして」と答えた私をタクシーに押し込みます。
 揚州市内から1時間弱。造成工事地帯の横道。タクシーの運転手も怪訝な顔です「儀徴駅」もう廃駅です。儀徴は阮元の故郷いわば最寄りの駅です。近年大都会近郊用地の有効利用の影響で、この様なローカル駅は閉鎖されることが多く、間もなくこの駅も取り壊されるとのこと。旅行者は大きな駅とは違いこんな駅はめったに見られないこともあり、変わりゆく中国の一端を見ることが出来ました(写真1)。
 儀徴の街に到着しました。街の中央にある鼓楼と天寧寺石塔。どちらも明代のもの。あまりの立派さに立ち竦みました。阮元は官僚として都市計画にも手腕を発揮します。西湖の浚渫事業で出来た湖内の「阮公墩」が有名です。街路樹をアーチ状に矯正しています。見る限り街中の通り全てが美しく揃えられています。これも「阮元の故郷ならではではないか?」とチョイ悪君が説明してくれました(写真2、3、4)。
二日酔いも忘れ街の美しさに見とれていても、時間が経てば腹が減る!遅い昼食。鼻を利かせて入った鳥鍋屋「安い!美味い!愛想良い!」何もかもが最高の街。もう少しゆっくり散策したかった~(写真4、5)。


写真1
簡体字で「徴」は「征」と書く。よく間違えられるらしい。
 

写真2
街の中心に位置している。西安鼓楼を意識したよう。威厳がある。

写真3
なんということなく街中に。これが中国の魅力。

写真4
アーチ状に揃えられた並木が美しい。

写真5
野菜たっぷり。作ってくれて 2人前 90元(約 1,500円)