きえもの

きえもの 150

阮元の故郷①
 
 連載150回目「チョッとネタ探しに行ってくるわ!」といかない昨今。近頃の中国のつもりが「いつの事か?」と言われそうな世の中の変わりようでピンボケネタですが、お古でも今はお許しください。これからも読んでくださいね~!
 緊急事態宣言が解除された今、スローガンは「コロナとの共存」いきなりユルくなった感のある街中ですが、目下私最大の問題は営業不振。いやこれは全国的なことなのでおいとくことにして、9月に開催される関西、いや全国・全世界的にも有名となったご存知我が「岸和田祭」をす(・)る(・)ん(・)か(・)せ(・)ん(・)の(・)か(・)ということです。日本有数の祭「祇園祭」に「天神祭」紀伊水道を隔てたこれも知らぬ人はいない「阿波踊り」など早々と中止を決めたのに対し、サッパリ動向が見えません。祭衆は言います「マスクして走られへんで~」とか「密・密やで~」とか真面目でイカツイ顔をしているのに口元が妙に笑っているのがほんま不気味です「毎年40万人も観客が来るのに無観客は無理やろ?」とかも。そんなもんコロナ禍でもこの国は県境を止めなかったのに無理に決まってます。祭衆の端くれの私も気が気でなりません。世の中自粛続きで心までコロナに侵されないよう、個人的には大型祭開始の先方が岸和田祭になればなぁ~と思ってはいるのですがねえ(写真1)。
 まずはお決まりのメシ。豪華極まりない河蟹の味噌だけで作った料理。痛風・メタボの人は食べない方が安全な良い料理。一昨年前の秋、地元の名士の誕生日会だったと思います「前回も子供の誕生会だったけどなんでそんなに祝宴に呼ばれるの?」と思われるでしょうが「外国人が知り合いにいて今日は態々来てくれた」というのは面子の上でとても良いからなのです(写真2)。
 話は分からずとも杯を酌み交わし盛り上がった翌朝。揚州の中心「東関街」の街区。以前からリクエストしていた「阮元故居」を訪ねました。阮元は清朝科挙試験に合格した進士。政治家として高名で、特に街区計画や土木事業なども巧みにこなしたことで知られます。そんな阮元ですが、我々に関係するのは書論「北碑南帖論」清代書道界に大きな影響を与えた名著として今も大変有名なのです(写真3、4、5)。


写真1
祭衆だけでもこの密!ヤッパリ無理かなあ?

写真2
この料理を作るのに何杯の蟹を使ったか?

写真3
故居までの道のり横道の「巷」を覗いているとなかなか進めない。

写真4
銀杏の樹が多い故居。
 

写真5
さすが進士の住まい。階段手摺にも気品と個性が溢れます。