きえもの

きえもの 146

朋友からの便り
 
 「赤外線体温計を至急送ってください」と中国の知り合いからチャットが入りました。中国各省の通達で、春節明け工場を操業する際、厳重に工員の体温を測ってからでないと建物に入れてはいけないとのことです。とは言え春節明けの操業はいつになるかはっきりしない状況ですし、仮に操業しても感染を恐れた工員が出てくるかも疑問があります。そんな中操業許可も出ないうちに違反操業する工場もあるらしく、工場責任者は逮捕されているとのことです。手を尽くし何とか体温計を確保して送る手配をしますが「中国向け荷物が急激に増加したうえに航空便の大幅減便により到着のメドが全く立ちません」とのこと。私自身も毎年3月には新年度の打ち合わせで訪中しますが、いまのところ搭乗券は手に入りそうもありません。無事1日も早く荷物が到着することを祈るしかありません。
 2年連続で訪ねた江蘇省興化。以前ご紹介した通り春には地平線まで菜の花畑が広がる自然豊かな街。揚州八怪の1人鄭板橋の故郷でもあります。初めて訪ねた際飛び込んだ「板橋飯店」味の良さと女将さんの笑顔に惹かれ再訪時もお世話になりました(写真1)。そんな女将さんからのチャットは現状の厳しさが伝わるものです(写真2)。
 武漢と同様移動制限をかけられている浙江省。省都杭州は我が朋友斯さんのホームタウンです。奥さんの故郷同省の臨安で春節を迎えるべく帰省していましたが、春節初めから厳しい規制で自由な外出ができなくなっているとのこと(写真3)。ここ数年元々の本業である日本向け旅行を手掛け活躍していたのですが、既存予約分のキャンセルは当然。春以降の企画さえ立てることができないとのこと。SARSの流行った頃の中国の経済力とは比較にならなくなった今、斯さんにとって大きなビジネスチャンスの中での厳しい出来事です。
斯さんの故郷の斯宅村でも、近郊最大の街諸曁で感染者が出て、諸曁に行った近郊の街の人からも感染者が出、その街で濃厚接触した人が村内いるため連鎖感染の警戒から厳しく監視されているとのこと。先月掲載した斯梅園老師から知らせがありました。
 最後にチョイ悪君は「多くの犠牲者が出ている反面助かっている人も沢山いるのも事実なので、感染を広げないよう頑張るしかない」と。「またいくら進歩したとはいえ日本の衛生観念に比べまだまだの中国にとって、今回の出来事は早急に改善しないといけない多くの事項を浮き彫りにさせた」と。神妙にコメントをくれました(写真4)。

写真1

写真1
この笑顔に早く戻ることを祈ります。
写真2

写真2
コロナウイルスでも頑張る「板橋飯店!」的なチャット。さすが!
写真3

写真3
臨安市内の様子。いつもは人で溢れている通り。
写真4

写真4
80種類の感染症に対応するというネット保険の広告。保険金は 500元(1万円弱)保険料はタダとのこと?