きえもの

きえもの 145

突然の訪日―大阪
 
 「朋有り遠方より来たる、亦た楽しからずや」現代のように何千㌔離れていてもリアルタイムに相手の声や姿までやり取りできる時代になっても、直接会って時間を共にすることは至福なことです。ましてや国境を介しての友となると、簡単そうでなかなか困難だけに手を尽くし会えた時には喜びも増します。
ご存知斯さんの故郷浙江省紹興市諸曁(しょき)市(し)東白古鎮斯宅村。相当の田舎です。しっかり住所を書いたのは携帯でこの村を検索してもらえば、村を紹介したCCTV(中国国営放送)が撮影した特集映像が携帯でご覧いただけるからです。高速道路が整備された中国でも上海から5時間。浙江省の省都杭州からでも3時間はかかります。
 そんな斯宅村の斯梅園さんから突然チャットで今「東京に来ている」と連絡が入りました。しかしそれ以外は何も分かりません。後に分かるのですが、旅程が半日前にならないとわからなかったようです。帰国前日大阪見学。その夜の宿泊先は南海堺駅前のホテルで13名の旅。斯宅周辺の先生とその奥さんだとか。何とか日本で会えた喜びはみな同じ。直ぐに全員で記念撮影をしました(写真1)。
 今回旅行団長の梅園さん「1人だけ出歩くのは」と遠慮していましたが、メンバーが気を使ってくれて夜の街に出ることに。堺駅高架下の居酒屋で祝杯をあげます。普段はお酒を飲まないそうですが、記念に生まれて初めての生ビールに日本酒を一口。駅が近いこともあり南海電車に乗って難波までの小旅行をしました(写真2、3)。
 帰国後斯さんからの知らせでは、梅園さんは大阪での短い時間を大いに喜び「人生の大きな思い出の1つになった」と言っていたとのことです。
私が初めて斯宅を訪ねた時梅園さんは斯民小学校の校長先生最後の年(斯さんが小学生の時から校長先生だったのです)創立100周年事業の記念に私に字を書かせ額をつくり、そして記念誌にも載せてくれ人生の思い出を作ってくれました。出会いの不思議。人生の縁とはこんなものなのでしょう(写真4、5)。
 

写真1

写真1
本当は大変な旅行名だと思う。
写真2

写真2
日本酒は1度も飲んだことが無いそうです。
写真3

写真3
残念ながら恭兵がいないと話が通じません。
写真4

写真4
創立 100周年の記念誌と記念筆。
写真5

写真5
創立 100周年の記念誌と記念筆。