きえもの 144
三山②―鎮江
鎮江の三山が有名でも日本人が多く行くスポットでは多分ありません。書を愛好する人々もきっと「そこ何あるの?」と言われるような場所でしょう。と私も思っていました。が、今回もチョイ悪君が頑張りました。「北條さん米芾って知ってます?」と。「あのなあ~なんぼ物知らん言うても米芾ぐらい知っとるがな」と私。「お墓あるの知ってます?」と。「なんであるの?」と私。「晩年住んでましたから」と。「行けるの?」と私。「当然!」と。「ほなイコ!」と私。ということでやって来たのが写真1と2。CRH(中国の新幹線)の鎮江南駅からタクシーで約10分行く気になれば簡単です(鎮江南駅は上海駅から1時間程で着きます)。チョイ悪君によると「ゴミゴミしているこの国でなぜか閑静な街」と言います。確かにお墓もいいところにあります。
さて前回の続き。金山は唐代法海禅師がこの場所で金を掘り当てたことから名付けられたと言われ、寺院は東晋代に創建された古刹です。広大な境内地を進むと山門(写真3)があります。金山寺は小高い場所にありますので、鎮江市内のビルの合間からでも見ることができますが、特に黄色と緑色で彩られた慈寿塔(金山塔)はひと際目を引きます。金山塔辺りから見下ろす長江の風景を見た康熙帝は「江天一覧」と称賛し、御筆を石碑にしこの地に残している程です(写真4)。
ここまでが真夏の金山。この原稿を書こうと帰国後調べていると境内地にある「天下第一泉」に行ってないことが分かりました。チョイ悪君に連絡すると「モ~暑かったもんね~」ですと!ということで晩秋の今回再度訪れることにしました。細かい話ですが、前回「三山」共通券が120元(約2千円)。今回金山だけで65元。今の中国入場料はどこも高い!話を戻し、唐代茶の専門家と言われる陸羽と劉伯芻が命名したとのことです。チョイ悪君の話によると、「芙蓉楼ではこの泉の水で注がれたお茶が飲める」ということになって、人気のスポットとのことです。喜び勇む我。しかし、なんと、泉までの遊歩道は工事のため閉鎖って。「ホンマ切符買うとき言うてよ!」しかしこれも見せてもうてるよその国。「しゃ~ないな~」を連発して残念無念。対岸から撮影して終了です(写真5、6)
写真1
住宅街の小高い所にあります。
写真2
唯々ご利益を願いました。
写真3
売店が並ぶ参道を抜けた場所です。
写真4
康熙帝が絶賛したという景色。
写真5
張り紙はあれど工事の兆しはなぜか無!
写真6
態々ここまで来たのになあ~。