きえもの

きえもの 142

中国のニオイー鎮江
 
 どこの家にも独特のニオイがあるものです。その昔某ハウスメーカーの営業だった私は、初めて訪問したお宅の玄関のニオイで契約できるかどうか予測していた程です。「エッ、どんなニオイが・・・」いやそれはとても口にできない、辛辣極まりない自己基準で決めていたので言えませんが、五感は人それぞれ。ニオイは人生の選択材料に結構影響していると私は思い込んでいます。そのようなことですから、旅先毎のニオイが色々なのは当然で街の風景よりニオイを思い出す程です。最近の中国の空港ではもうニオイませんが、30年程前は強烈だったのが香醋(日本では香酢)臭か匂。オエッ!と思った人は二度とこの大地に来なかったそうですし、オオッ!と思った人は私のようによりオオッ!を求める病み人になっていったのでしょう。
 長江の南側にあるお馴染みの街鎮江。この街の産物の代表とされるのが香醋です。なにしろ中華料理には欠かせない調味料ですからその消費量は全く想像できません。興味深いですが少ない滞在時間をやり繰りした果ての目的地がお酢屋とは物好きな!「1番の老舗ですよソリャ~ニオイますよ~!」とかいって毎度唆してくるのがチョイ悪君「どうします?」というので「以前行った駅前にある夫婦の哈爾濱餃子屋にも行かんとな!」と話を逸らしながらも行く気満々の我。間で抵抗できない恭兵。気温38℃、湿度も超ウットシイ中、汗だくの男3人まずは腹ごしらえに餃子屋へ。3月も持てば良い方と言われる中国のメシ屋「店あるか?」アッ「あるで!」と興奮と安堵。心配をよそにやはり美味い店は流行る。夫婦の店は大成功。今は弟子がこの店の店長。「ボスは新しい店です」と。そこで店長と記念撮影です(写真1,2)。
 よくあることですが「なんでこんなもんあるの?」と疑いたくなる巨大な建造物。この地下道の広さ・巨大さ、そして気持ち悪いジメジメさ。駅下の地下通路のようですが不気味な空間。後で調べると非常時のシェルターでもあるそうですが、こんなところにとても何日も居られるものではありません(写真3)。
 目的の香醋屋に近づくと芳しい匂いが溢れます。チャリンコで大きな容器をいくつも持って量り売りを買いに来る女性。店の中はほぼオエッ!とくるほどの香り?です。なんでもピンキリがあるものです。1斤(500g)10元(約170円)程度のものから、200元以上するものまで「私は100元ぐらいのを使っています」とさすがはお金持ちのチョイ悪君「ホンじゃ200元のは?」と聞くと「それは・・・」と返事がありませんでした。写真のはお土産用。値段はナイショです(写真4、5)。

写真1

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後日訪問のために良かった飯屋では写真を撮っています。
写真2

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店長お薦めの骨付き肉。美味いが高級!商売上手やねえ~。
写真3

写真3
どこまでも続く床が全面濡れて・・・正にオエッ!
写真4

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地元民は甕から溢れんばかりの香醋を持参のタンクに入れてもらう。
写真5

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次はいつ来られるか?でも写真は一応撮っときました。