きえもの 130
〈中国ゴールデンコース〉
極寒の北京・洛陽・西安②
北京から概ね800KM約4時間。雪景色の黄土高原を走り抜け「洛陽龍門」駅に到着しました。連日氷点下で身体も冷え切っていることもあり夕食に特別に注文したのが羊肉鍋。中国人は羊肉を好んで食べます。夏はビールに串焼きが特に合いますが、なんといっても冬は鍋。背骨ごと煮込んだスープはコラーゲンたっぷりお肌にバッチリ絶品です(写真1)。
洛陽と言えば中国三大石窟の一つ世界遺産「龍門石窟」が超有名ですが、私たちがまず向かったのは近郊の田舎町孟津(モウシン)です。書人ならだれもが知る王鐸の故居があります。真筆が多く残る王鐸ですが、擬山園帖石刻を見学することができます(写真2)。故居に隣接して王鐸末裔のお宅があります。12年前江口先生を団長に書源社旅行として訪ねた折、記念撮影をしていましたので、写真をお持ちしました。前回は三男の奥さんと子供さんとの撮影でしたが、今回はご長男。13代目王典雅氏と記念撮影をしました。「旅の安全。そしてまたのお越しをお待ちしています」と。握手を交わし王鐸のパワーをいただきました(写真3)。
ご同行の皆さんは擬山園帖に夢中。私はというと故居奥の売店へ。店のオヤジは近頃めったに来ない日本人にやや興味深げ。愚息に通訳させて先ずは「擬山園帖の拓本ある?」と私「あるよ」とオヤジ「いくら?」と私「セットで5万元(約100万円)」とオヤジ「ほな見るだけにするわ」と私「・・・」とオヤジ(写真4)。暫くして「チョット書するんやで」と私「ほな書きや」とオヤジ。ということで私はいつものお決まり「以文会友」を「ドヤ?」としたためると「おれの技をみせたろ」か?と言ったかどうかエライ勢いで、紙に横から向いて縦に書くアクロバティックで奇妙な用筆法を披露してくれました(写真5)。試合終了の頃にはお互い仲良し不思議なものです。書好きは言葉が通じなくても簡単に国際交流完了。そんな頃に皆さん売店にお越し「さっきの拓本セットしかアカン?」と私「バラでもエエで好きなん持っていき1枚200元(約3,400円)にしとくわ」とオヤジ。早春の故居には蠟梅が満開で春の香りが溢れていました。
写真1
クセのある匂いだが、羊肉無では味気ない。
写真2
遠くても来て良かった。皆さん大喜び。
写真3
またこの写真を持って伺いた。
写真4
拓本と書机だけの売店が好!
写真5
横の線を縦に「王鐸はこう書いた」らしい?