書具よもやま話

書具よもやま話 60

額の工場を訪ねて①

 表装の殆どが軸か額。どちらが大がかりな設備がいるかといいますと間違いなく額です。全国の多くの表具屋さんや、書道用品店。和額の専門店向けに製造している工場の1つをご紹介します。
 額は使う枠で大きく2分されます。1つはアルミ等の金属。もう1つは木製の物です。特に木製の枠は原木から切り出し、塗装をしますから神経を使う工程も多く携わる職人さんも多くなります。
 板状に切り出された原木は通常3年以上、工場の敷地内で寝かされ、くるいの無いように調整されます。使用する直前に含水量を均一にするため乾燥機(写真1)に入れます。
その後、板状の物を竿状に切ります(写真2)。工作機械はドイツのモルダー社製。どうしてもここの機械でないといかんそうです。(取材協力 日本工芸)




写真1
自然乾燥だけでは上手くいかないそうです。
写真2
轟音と共に枠の原型が切出されます。