書具よもやま話 48
作品の扱い③ 下敷きに注意
下敷きの何に注意するの?いつも使い終わったら掃除機で紙屑は綺麗に取って、天気のいい日はたまに干して、折らずに巻いて。いやー完璧です。いや違うのです。今日のお話は使っている最中のこと。写真の丸印のところ、髪の毛ほどの線が何本か見えるでしょうか?実はこれ、下敷きに残った墨が付いたものです。注意してみてもあまり見えないものから「これはいかんでしょう」と思えるぐらいはっきりしたものまで、結構付いているのです。
以前にもお話ししましたが、下敷きは画宣紙を通して裏側まで滲み出た墨液を、一旦吸収して吐き出す仕事をしています。が、許容量を超えた墨量になると、吐き出しきれずに残ってしまうのです。その上に新しい紙を置くと…わかりますよねえ。ですから、手間でも墨量の多い作品を書かれているときは、反古紙で下敷きを軽く拭きながら使ってください。長年使って墨がしみこんでゴワゴワになったものは取り替えてください。
裏打ちすると良く見えてきます。