書具よもやま話 40
筆の寿命⑥ 筆を固める
以前にもご説明したことがありますが、「どうにも上手くいかん」とのお声もあり、再度もっと丁寧にご説明することにします。何かというと筆の根元を固める作業のことです。
まずは写真の調和体用筆、伊吹と富士。特にこの筆は最初の取り扱いが肝心。下手に扱うと、一瞬で本来の能力が出せないままお陀仏になってしまいます。というのもこの筆、必ず毛の根元を上手く固めて使わないとどうにもならない筆なのです。当然書源のお手本を書かれておられる江口先生も根元をシッカリ固めてお使いです。嘘ではありません「なにを言うか!筆は根元まで下して、しっかり洗って墨を落として・・・」ご主張は謹んで受け止めさせていただきますが、取りあえずお付き合いください。固める手はずは次号から。