書具よもやま話

書具よもやま話 32

鈐印(ケンイン) ⑩ ―しまい方―


印はほとんどが石で出来ています。印刀を使って手で彫るのですから、決して硬い物ではありません。印泥を付けるときに陶器製の容器に当ててしまい、印泥に石の欠片が入ったことはないでしょうか。扱いは丁寧にする必要があります。
 写真1は印面を保護するための袴を取り付けた印材です。印面を保護にはいいのですが、大半はむき出しですから、机の引き出しに配慮無く入れておくと、カチカチあたり、傷だらけになってしまいます。中国製の印材ケースに保管されることをお勧めします。(書道用品店で売っています)
 印も少しのうちはいいですが、種類が増えてくると、どれがどの箱に入っているか分からないだけではなく、どんな印があったのかさえも分からなくなってしまいます。写真2のように印箱の上に印影のシールを貼っておくと、一見して分かるので便利です。こうしておくと、作品を見ながらどの印を使うかの検討もし易くなります。
市販の印箱にも入らない大きな印材は100円ショップで売っている、クッション入りのケースを使っています(写真3)。
印は印材の美しさも大切な評価基準です。できるだけ傷がつかないように大切に保管してください。

写真1
写真1
写真2
写真2
写真3
写真3