書具よもやま話

書具よもやま話 31

鈐印(ケンイン) ⑨ ―おしめしてます?―


今回は写真中心でいきます。写真1は押した印の上に上品に置かれた入紙。ティッシュペーパーを丁寧に切ってチョコンと。いらっしゃいますよね。非常に几帳面な方だと思います。何もこの方に文句はありませんが、結果あまり良くありません。というのが、作品の選別会場は時間を争って作品選別をしていますので、選別後こんな小さな紙はどこかにいってしまい、結果入紙はなくなりそのまま作品が処理されることになりがちです。写真2は印の上に大きめの付箋をはります。動かずいいのですが、仮名の加工紙や、蠟箋などの紙には付箋の糊が付く可能性があります。写真3は書きつぶした反古。大きく切ってはさんでいます。こんな大きな入紙をされると、誰でもより注意をします。お金もかからずベストです。写真4は印の裏側から汚れる場合。薄い紙で、白文の印でベチョといくと、裏から染み出た印泥が汚します。
せっかくの力作が思わぬことで汚れないよう注意しましょう。

写真1
写真1
写真2
写真2
写真3
写真3
写真4
写真4