書具よもやま話 25
鈐印(ケンイン) ③ ―印泥を混ぜる①―
印を押すにはそれなりの覚悟と気迫が必要です。大げさなようですが、なんとなく押すと・・・ほら、やっぱり失敗しますよね。
前回の下敷きともう一つ大切なのが印泥です。印泥の種類や原料は改めてご説明するとして、目的は心がけですからその部分を。
失礼ながらあえて申し上げますと、写真1は手入れが不十分でどうしょうもなく使われている印泥。写真2は手入れを十分して、今まさに使われようとしている印泥です。解りますでしょうか?この違い。
過去に残念ながら私のお客様にも沢山いらっしゃいました「印泥の箱に入っていたあの白い棒みたいなのなに?」。ご存じ無いのですから仕方ありません。当然軽蔑もしません。悪いのは私です。お届けした時使い方をご説明しなかった私が悪いのです。それ以来お客様にできるだけ実地でご説明するようにさせていただいています。
もしご購読の皆様の中にも写真1のようになった印泥をご使用なら、白いヘラで混ぜてください。冬場は気温が低く、印泥の油分が硬化していますので、こたつなどで温めてから混ぜてください。
写真1
写真2