書具よもやま話 21
下敷
書作の上で大きな役割を担っているのが下敷きです。ある時は踏みつけられ、お菓子や飲み物をこぼされたりと、扱われ方は気の毒な道具ですが、無いとどうにもなりません。それだけに大切にしてほしいのですが、こんなことをしていませんか(写真1)。最近は大半がフェルト製ですので、折り目が付くと伸びて元にはほぼもどりません。折り目のところで筆が引っかかりうまく書けませんから、必ず巻いて保管してください。
写真2は私が半紙を書く際の下敷きです。『机上版サイズ』と言われるもので、ゆったりと使えることがなんとなく落ち着くのです。半切を書くときは全紙の下敷き。いや、将来を考えて2×8尺用の大きい物と。要するに書かれる紙のサイズより、許される限り大きい下敷きを使われた方が、間合いが取りやすいのです。
厚さも重要で、畳などボコボコしているところで書くなら3㍉。机の上なら2㍉でも問題ありません。1㍉もありますが安定感が無いのでお薦めしません。
下敷きは紙から滲み出る墨をいったん吸収して吐き出す仕事をしていますので、長期間使ったり、墨でボトボトになるような使い方をすると、機能が低下して、吸収し損ねた墨が紙の裏につきやすくなります。墨ジミが多く見え、墨の裏移りが多くなってきたら、買い換えることをお薦めします。また巻いて暫く保管されるときは掃除機でゴミを取り、陰干ししてください。
写真1
写真2