書具よもやま話 20
文鎮
書歴が長くなると増える道具の一つに文鎮があります。私も子供のころから使っていたものを含めると50本程度あるでしょうか。毎年年末に発売される「干支文鎮」などを集めていたこともあるからですが、記念品などでもいただくことが多く、書具の中では硯に次いで寿命の長いものでしょう。
日常のお稽古で何気なく使っている文鎮ですが、金属の物が多いと思います。筆には墨が付いていて、その墨が半紙や画仙紙に吸い込まれながら線が出来上がります。鉛筆やボールペンで洋紙書くようには滑らず、引っかかるので、文鎮が無いと紙が動いて書きにくくなります。
半紙程度の大きさでしたら引っかかりもあまり強くないでしょうが、半切や53×228㎝等の大きな紙になると、書く字も大きくなると紙が動くのでしっかりと固定することが必要です。
私は写真のように、文鎮の底になる部分に紙やすりを張ることにしています。重い文鎮でも表面がツルツルしていると紙が動いてしまいます。こうすることでしっかり止まりますのでぜひともお試しください。
道具は買ってきたままではなく一工夫することでとても使いやすくなるものです。紙やすりがなければ厚めの画仙紙を張っても良いですし、もっと簡単にしたければ輪ゴムを2~3本巻きつける方法もあります。