中国よもやま話 96
― 中国食べ歩き ‐古鎮めぐり⑳‐新市
時ははや四月。早朝関空に着くと何やら見慣れた恐怖の軍団。大量の炊飯器にウォシュレット。日本の市場からナノイードライヤーを消滅させた皆様が私の前に立ちはだかります。総勢100人はいるでしょうか(写真1)。全員当然ですが中国語で嬉しそうに旅の思い出を喋りまくっているようです。斯さんに聞くと「日本は良い国よ物価が安くて何でも綺麗でみんな親切」というのが日本評。綺麗で親切は当然ですが、物価が安いは何とも複雑。近いし「ちょっと日本行ってこ!」ぐらいの軽いノリで富裕層が大量にやってきます。季節柄桜見物組。実は空港内は香港、台湾の中華系と韓国人で溢れかえっています。でも日本の経済に良い影響があるのは確か。「もっと来ればいいね」と斯さんに言うと、「安そうだし日本に家買おうかな」ですと。なんと恐ろしい。それでなくてもこっちは狭い国土ですのに。彼らにかかると無くなってしまいます。
観光地には分かりやすい案内資料が必要ですが、ほとんどが中国語、英語、良くて韓国語ぐらいで日本語はまずありません。一億人そこそこの言語など関心も無いかのようですが、この新市は入口や古鎮内の案内物に日本語が併記されています(写真2)。多くの日本人旅行客を見込んでいたゆえのことでしょう。とはいえ、案内板に書かれている内容は、分かるようであまり分かりません(教養の無い私は日本国内の案内板を見てもヨー分からんことが多いですが)。
長期休みでもない平日に、古鎮をウロウロするのは余程変なヤツに決まってます。人がいないので物売りも必死。蜂蜜売りが近づいてきて色々説明してくれました。味見はOK。こういうのも何かの縁、一番小さいのを買いました(写真3)。ご婦人がたくさん集まり生糸を伸ばしています(写真4)。絹の蒲団を作るための作業です。絹の蒲団は昔からの嫁入り道具。最近は羽毛布団も多くなったようですが、まだまだ中国人の定番のようです。夏場はこの絹蒲団。冬場はその上に綿布団を掛けると暖かくて良いと斯さんが言っております。
中心部にある財源茶楼。清代の茶店です。観光客が多いと開けるそうですが、休業中。彫り物も良い建物です(写真5)。 つづく
写真1
臨時専用ゲートに並ぶ中国人旅行者
写真2
想像しながら読む必要がある日本語
写真3
ローヤルゼリーも良いのがあるぜ!
写真4
絹の蒲団は昔から高級品
写真5
こんな茶楼でお茶すれば文人気分