中国よもやま話

中国よもやま話 86

― 中国食べ歩き ‐古鎮めぐり⑩―


体型はゆったりしているのですが、その実私は気の小さい人間です。それが故に周りの人を不愉快にさせている。いやこんなことを考えるだけで憂鬱になります。というのはかなりのウソ。気の小さいのは本当ですが、憂鬱にはなりません。本当はイラチで自分勝手。大きく構えて格好良く!などというゆとりは多分死ぬまであらゆる局面でもてないでしょう。
いつものことですが上海あたりの駅の改札で、巧妙にしかもどんどん横入りされるとそれはもうボルテージアップ!といって生のしかも声の大きい中国人に文句を言う勇気など当然ありません。帰国直前の滞在地上海。急ぐのに人が多く道は混む。穏やかでいられるはずもありません。とはいうもののゴミゴミした大阪に生まれ育った私にはそんなところが変に馴染むところでもあります。

いつもバタバタイライラの上海。ところが今回は勝手が違います。帰国前日上海に着き、仕事も予定以上に早く終了。夕食をとりながら明日はどうする?という余裕。早速地図を取り出し近郊の古鎮行を検討しました。すぐに上海市内から1時間で行ける古鎮「朱家角」に決定。何しろ歴史は宋代にまで遡り「上海第一大鎮」と称せられています。その規模の大きさとアクセスの良さでご存知の方も多いと思いますが、私にとっては灯台下暗しでした。上海で少し時間ができましたらぜひともお勧めの古鎮です。
古鎮の見どころはそれぞれでしょうが、私は何といっても生活の匂いがすること。めし、酒を中心に雑貨や衣服等の個性豊かな店があり、そこに人が集うというような状態があると堪らないわけです。(写真1、2)

もう一つは生活の上で無くてはならない水があることです。江南水郷古鎮と呼ばれるように、必ず鎮の中には運河があります、その形状や架かる橋と植物が相まっての独自の風景が構成されます(写真3)。

朱家角には放生橋という巨大な石橋があります。440年前に建設された高さ7メートルのアーチ型の放生橋から生き物を放つと功徳になると言われ、橋の袂では放つための金魚を売っていますこの橋からの眺めは・・・次号に続きます(写真4)。

写真1

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観光客を目当てに西洋的に改装した雑貨店も多くあります。
写真2

写真2

写真3

写真3
木造のこのような橋は案外少ないものです。
写真4

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このような大きな橋があることはいかに商業が
栄えていたかが分かります。
写真5

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