中国よもやま話

中国よもやま話 70

― 中国食べ歩き ‐恋愛観 ―


 朝のひとコマ。愚妻曰く「あんた珈琲飲む?」。私「飲む」。愚妻曰く「じゃ、入れて」と。平和な夫婦生活のためなら、これくらいのことは喜んでしなければなりません。「男のくせに軟弱な」などと考えることはいけません(と言い聞かせています)。男と母親になった女は平等では無く、「やはり母親に旦那は勝てないな」と最近とみに実感するのです。とはいえ、恋愛中や新婚時代ぐらいは夢をみても(だんだん情けなくなってきた)いいはずでしょうが、こと大陸の女性となるとそんな甘いものではないようです。昨年、中国のインターネット上で話題になった、恋愛に対する考え方の事件。  


 中国語で独身の男のことを光棍儿と言います。棍という字は棒とかステッキの意味です。枝も葉もないつるつるの棒が4本も並ぶので、11月11日はその形から独身者の日と呼ばれています。そんな日に華中科技大学文化学院の普通の学生、王文瑾さんは交際中の彼女に、以前からプロポーズをしようと、212日もかけて彼女のいる風景や一緒にした出来事の思い出などを散文や詩歌で書きため、一冊の本にしました。「君一人きりであってほしくない」という題名を付け、手渡し、告白しました。受け取った彼女は『十動然拒』「とても感動しました嬉しい。でも気持ちだけではダメよ」と言って断ったのです。数日後の19日。同大学の富二代(金持ちの二代目。特に放蕩息子、娘をさすようです)の男が高級車INFINITIと100万元(1元は約14円)の小切手を持って、こちらは一方的に恋焦がれていた芳芳さんに「一万年愛し続ける」と告白し続けました。「愛情はお金で買うものか」と言い断り続けた彼女でしたが、結局『十気然応』「とても腹が立ったが・・・。お金があるなら仕方ないわね」といって承諾したのです。


 急激過ぎる経済発展と一人っ子政策の弊害で、自己中心、我が儘な青少年が時代を担うようになった中国。過日、毛沢東がお気に入りだったといわれ長期滞在もした杭州一番のホテル、西子賓館の喫茶室で中国茶をいただいた際、家族旅行で来ていた若き高級官僚グループのマナーの悪さにはまいりました。(写真3、4)


 将来自分の子供が金銭的に困り、その結果社会の負け組になるのなら、
「正妻で無くても、財力のある男につきたい」とか、「結婚の最低条件はマンションがあること」などと、男軽視の言に「まあよくも言ってくれるよなぁ」とムカっとなりながらも、朝奥様の珈琲を入れている私。やっぱり似たようなものだよな―。



写真1

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こんな演出までして頑張ったのに。
写真2

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まさに富二代。
写真3

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喫茶室の中。本当にここは高級です。
写真4

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庭に西湖があるのはここだけです。
写真5

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中国茶。確か200元以上しました。