中国よもやま話 69
― 中国食べ歩き ‐共産党公務員試験 ―
以前ほど日本の公務員は親方日の丸ではないでしょうが、まだまだ民間企業とは違う言葉に出来ないうまみがあるのではないかと想像してしまいます。
さて、ご存じの通り先日中国の指導部体制が変わりました。習近平総書記は中国共産党にはびこる汚職の問題の解決を最重要課題の一つにあげていますが、現実は根深いものなのでしょう。以前ご紹介した斯氏の実兄は浙江省諸曁市の林業課長さんです。聞くところによると、月収は5千元(1元14円として7万円)だそうです。でも公務員は福利厚生など公に認められた優遇利益が実質、約5倍程度あるというのです。それでも実兄より上の役職は、最近全て汚職で免職されたというのです。実兄は共産党員ではありませんから、共産党員ともなるとその恩恵は想像もできない程です。
そのような世相を風刺したイラストです。写真1は「食いはぐれの無い金のお椀‐公務員」。写真2は「金のお椀に届くまでの台(試験)が天ほど高い」。日本の平成23年行われた国家公務員試験中最も難しいといわれる1種試験の受験者数が27567人。合格者が1390人(約20倍)だそうです。対して2013年、約140ある共産党中央部門試験では受験者が152万6千人。合格者は2万339人(約75倍)そのうち日本の1種試験に該当する試験では1万倍の競争率だとか。まさに公務員は高根の花。写真3は試験直前の風景。写真4は受験票を手にした受験生。
話は変わりますが、中国人とのお付き合いで最も重要なのはごはんを一緒に食べること。これは私の実体験でも常に感じることです。食事をすること自体が契約行為なのです。日本人とは意味合いが大きく違うようです。
私と同じ世代(40代)の共産党の地方幹部は概ねデップリと太っている人が多いようです。笑い話のようですが、ある地方幹部が秘書に聞きました。「今度作る橋の工事はどこの業者がするのだ」。秘書曰く「今晩食事をする業者です。それにもう工事も始まっています」と。では「いつ家で食事ができるのだ」と聞くと「すでに半年先までは無理です」と。日本も少し前はそうだったのでしょうか?
写真1
日本も景気が悪いと人気がありますね。
写真2
試験以外にコネもあることがより難しくするのでしょう。
写真3
受験会場前。道一杯に長い列ができる。
写真4
受験には経歴等の厳しい事前審査がある。