中国よもやま話 67
― 中国食べ歩き ‐水貨・行貨② ―
中国でもスマートフォンは大人気。日本ではどう頑張っても一億台売れることはありませんが、総人口数不明のこの国のこと、すぐに何億台も確実に売れることは予想できますから、写真1のような大型電脳量販ビルが登場するわけです。杭州市内教工路に面したこのビルの名前は百脳匯、たくさんのコンピューターの集まる所という意味でしょうか。建物の中に入ると沢山の店舗が所狭しと商品を並べています。中国国内ブランドもありますが、お目当てはアメリカ、韓国そして日本のブランド商品でしょう(写真2)。
各店には人気商品iphoneやipadのポスターが貼られ、あたかも正規品が売られているようですが、先月号から引き続きご購読の皆様には当然ご理解いただけますでしょう。これは完全な水貨(偽物)です。はじめて訪れた時は私もなんのことだか分かりませんでした。それが今日に至っても解決しない中国携帯端末地獄の始まりなのでした。
連れて行かれた店は斯さんの馴染みの店、店主も親切、先日の上海のセコハン街とは違います。色々な説明を受けSamsungのGalaxyを買いました(写真3)。「Samsungだから大丈夫だろう」という少しなめた考えが、後々後悔することになります。
御存じの方も多いと思いますが、携帯にはSIMカードと呼ばれる所有者の情報や、電話番号など重要な情報を記録するチップが入っています。日本の携帯電話のSIMカードは諸外国と違い、電話と一体の物ですが、諸外国ではSIMカードが単体で売られていて、どの電話に差し込んでも使うことができます。と、ここまではなんとなく解っていただけるでしょうか。ただ問題なのは電話機によってSIMカードを差し込むフォルダーのサイズが違うということです。そこで登場するのがSIMカッター(写真4)。カードをカットすることができます。「大丈夫?」と心配する私に店の親父はニコニコしながら「失敗すれば使えないだけよ!」と無責任なものです。中国はプリペイド(前金制)なので「さっき入れたお金もパァーなの」と聞くと、その時は再発行してもらってねと。まさに他人事、軽い話です(写真5)。
写真1
ビルの中には改造・ソフトのコピー屋まで何でもあり。
写真2
憧れの商品。流石に展示も美しい。
写真3
この電話からトラブルがはじまる。
写真4
大きめのホッチキスのようなSIMカッター。
写真5
カットしたSIMが合わない。今度は大きくするカートリッジ。