中国よもやま話

中国よもやま話 66

― 中国食べ歩き ‐水貨・行貨① ―


 上海市内にある偽物市場『二手貨市場』(写真1)です。二手貨は中国語で中古という意味ですので、本来日本でいうリサイクルショップと言ったところでしょうが、工具や雑貨店などはまだ全うな商いをしている雰囲気もありますが、携帯電話やパソコン関係品となりますと、このような市場ではまともな物を買うことはできません。そんな市場が人民路と方浜西路の交差点に面して、堂々と営業しているあたりが中国の恐ろしいところです。


 中国では明かなコピー商品のことを水貨。完全な正規品ではない(並行輸入品や密輸品)が、保証書(意味はありませんが)がついて、箱に入っているものを行貨と呼んで販売しています。完全な正規品はきちっとした専門店でないとほぼ買えません。価格も水貨は正規品の1から6割程度。行貨は7割程度でしょうか。なにしろ「正規品に対して」という正規品が、すでになんなのか分からなくなっている感じですから、あてになりませんが、上手くいけば憧れの機種に似たものが手に入れやすいことと、作動に問題があると水貨は交換してくれることから、安易に買ってしまうのです。


 市場の中は人が多く、ごった返していました(写真2)。そんな中、携帯電話を買おうと値段交渉をしている親子が目に入りました(写真3)。やめておけばいいのにこの親子の交渉に興味がわき、交渉の結末まで付き合うことに。話としては、「今まで何台もここで買っているのだから1,200元のところをまけて800元以下にして」ということです。長い交渉の末780元で無事交渉成立。親子はⅰPhoneに似せた中国製正規ブランドYoPhoneを手に入れたのです。以前の私ならこれで話は終わりですが、せっかく美味しい話を聞いて終わる訳にはいきません。店主に「私にも」というと、平気な顔で「1500元」ときましたので、なにを言うか「500元」と切り返すと「おまえはアホか」とばかりの態度。交渉の末半額の750元で決着しました。同行の斯さんも「中国人の私が非国民扱いされるから北條さんの値切りに付き合いたくない。はずかしい」などというので、「大阪と上海は姉妹だから、これぐらい当たり前だろ」というと、無視されました。


 無事手にしたYoPhone。日本に帰って良く見ると裏側に何か貼られています。めくってみると、下にはリンゴのマークが(写真3)。偽物のⅰPhoneに偽物のYoPhoneのシールが、当然性能は最悪。これが中国。「日本人だから仕方ない」。いえ、色々言いながら斯さんも同じ値段で相乗りして、同じものを買ったのですから・・・。











写真1

写真1
たまに警察手入れが入るらしいが、意味は無いのだろう。
写真2

写真2
いろいろあるが活気があり、楽しい。
写真3

写真3
こんな商品日本で売ったら・・・。