中国よもやま話 62
― 中国食べ歩き ‐春節直前② ―
素朴な田舎町の年末風景は上海等都会の風景とも違い見ていて飽きないものです。お腹の調子の悪い周りの友と、調子づいた私はこの田舎町が気に入り買い食いに走ります。どこからかカシャカシャと音を立てて餅のような物を切る機械。何かと聞くと「雲片糕」(ユンピエンガオ)と言うそうで、 米粉を使った薄手の糕だそうです。食べるとゴマの香りが口の中に広がります。辺りの果物屋に並ぶ品もいつもより高級そうです。日本でも正月用の果物は箱買が多いですが、中国も箱入りの果物が山積みされます(写真1、2、3)。
夜遅くの上海虹橋行の飛行機に乗るため空港へ。理不尽な飛行機便の振替えに立腹する斯氏に、どう思ったのか東方航空は「帰りの便はファーストクラス扱いにしてあげる」と・・・。でも私は当然喜びました。チェックインの後特別待合室へ。とても広い部屋に我々とあと一人「そら金持ちは我儘になるわ」などと思い機内へ。快適な短い空の旅の後到着の空港はあいにくの豪雨。飛行機からタラップで降りないといけないのですが、そこはファーストクラス。私たち3人のためにターミナル行専用車が待っています。荷物も一番に出てきました。(写真4)
最高の気分でしたが、杭州行最終のCRHまでの乗り継ぎ時間はほとんど無く、だだっ広い空港から鉄道の間を息を切らしダッシュで移動します。やっと着いた乗車口で黒山の人だかりが。「長沙行」のCRHの到着を待つ人です。1000人ぐらいはいるでしょうかほとんど出稼ぎの人のようです。「故郷に錦を飾る」という意味で安い運賃の長距離バスではなく高価なCRHに乗って帰ろうとしているのです。そんな中、構内に突然放送が流れ、別の乗車口へ移動が始まります。「到着ホームが変わった」とのことですが、斯氏曰く我々にこんな移動のさせかたをすれば大騒ぎになる「電車の到着線路の方を替えろ」と。でもこの人達はそうゆうことも知らない。中国のバブルもはじけ出稼ぎ者の賃金の未払いが社会問題になっています。この人たちもかなりの人が賃金をもらえないでいることでしょう。それでも家族のいる故郷に帰るのです。(写真5、6)
あまりの大移動に気を取られましたが、私たちの乗るCRHは40分遅れ。当然原因はわかりません。
写真1
出店の端で糕を切る機械が音をたてます。
写真2
端は切れていません。引きちぎるようにして食べます。
写真3
箱入りの果物
写真4
もうこんな部屋には入れないでしょう。
写真5
小島のように見えるほどの人です。
写真6
まさに大移動。