中国よもやま話 56
― 中国食べ歩き ‐CRH脱線 ―
中国版新幹線(CRH)和諧号。中国の威信にかけて5年後には中国全土を碁盤の目のように整備する意向でしたが、7月23日浙江省温州付近の高架橋から脱線落下し、多くの死傷者を出す大事故を起こしました。事故現場を国内外が見つめる中、事故車両を地中に埋めたり、掘り起こしたりと、「なんのため」というと「そりゃごまかすためよ」と聞こえてきそうなやり方に、世界からは「さすが中国」。ご遺族は当然大激怒。重大さを微塵も感じない事故処理に衝撃を感じました。
しかしながら既に沿岸部の経済都市をつないだCRHに乗らないようでは仕事になりません。極端な話、朝一番の飛行機で関空を出発して上海からCRHに乗って杭州で簡単な商談をし、またCRHで上海に帰り最終便に乗れば、その日の内に関空に帰って来ることができます。数年前には絶対出来なかったことですから、便利さは間違いありません。今後の整備、安全性の向上と重視を祈るしかありません。
事故の少し前、南京発杭州行きのCRHに乗りました。乗車駅は南京の次の鎮江という駅。大雨の中バスで駅まで来ました。新しく出来た駅なのに、バス停から駅構内まで屋根の無い部分が100㍍以上もありずぶ濡れに(写真1)。始発駅が大都市南京なので、結局指定席が取れず、席無し券を購入しました(写真2)。席無しは日本の自由席ではありません。券には『8両目の連結部分』と書かれています。券を買うとき「席が空けば座れます」。と言われましたが、空いた席には次の指定券を持った人が乗ってきますから座ることができません。そんな中でもたまに席が空き座ると、連結部分にいる女性乗務員が「指定席にしましょうか」とやって来ます(写真3)。追加料金は無席代金と同額。結局金が物を言います。
反対側の最後尾車両を見ると超豪華な貴賓席が(写真4)。乗務員がいない間に忍び込んで撮影。この席の値段は不明です。
写真1
新しい駅なのに雨漏りも。でもこれも中国らしさ。
写真2
右肩に無座(席無し)の記載が。
写真3
席無し客の中連結部分で空き席を確認する女性乗務員。
写真4
豪華貴賓席。どうしたらこの席の券が買えるのかは不明らしい。