中国よもやま話

中国よもやま話 52

― 中国食べ歩き ‐江南地方の秋② ―


 今年は春節直後に中国にいましたので、提灯が沢山でていたり、街中の装飾がひときわ華やかだったりと、良い風情を味わうことができました。
中国では家の前に「福」の字をわざとさかさまに貼ります。文字がひっくり返るという意味の「倒(ダオ)」と福が来るという意味の「到(ダオ)」が同じ発音のため、来福をあらわすのだそうです。表意文字である漢字の故郷ならではの習わしです。


 話は江南にもどります。蘇州から揚州に移動しました。揚州といえば「揚州八怪」。一度は行ってみたいと思っていた揚州八怪記念館です(写真1)。せっかく来た記念と、売店のお姉さんの愛想の良さと、値引きしてくれたので八怪の豪華本を買うことにしました(写真2)。この本、後に行った上海福州路の本屋では、鍵のかかったケースに展示されていましたし、なにより値引きなど言えそうにありませんでしたから、少し得をした気分です。


 揚州といえば炒飯が有名です。食事時が終わった頃を見計らって、下町の食堂でもと散策しました(写真3)。しかし歩くうちに相棒の斯(ス)さんから「この通りの店はやめた方がいいよ」とチェックが入りました。「日本の衛生基準は最低があるでしょうが、中国には無いよ」とのこと。証拠を見せてあげましょうと裏通りへ。通りのあちらこちらで食器を道路で洗っています(写真4)バケツの水は真っ黒。「こんな洗われ方をした食器がさっきの通りで使われている可能性が高い。このあたりで食事ができる人間は慢性中毒になっている。最近中国人に少しは近くなった北條さんでも明日は腸炎を起こし病院のベットでうなっていますよ」と、喜べない話です。


 通りを少し歩くと、「多分あの工場(写真5)は黒心(コクシン)綿(メン)布団を作っています」とのこと。黒心綿布団とはきれいな綿の間に繊維のくずや工業ごみなどを詰めて布団に仕立てたもので、婚礼用の高級品と偽って販売する詐欺商品です。使うと程なく悪臭がしてきます。


 斯さん曰く「こんなのは序の口。ぞっとすることがいっぱいあるよ」
ですって。おいおいご紹介します。









写真1

写真1
通りの奥にあります。
写真2

写真2
八怪の印のレプリカ付きです。
写真3

写真3
暗い感じの通りにある店では食べないようにしましょう。
写真4

写真4
食器が道路に直接置かれています。
写真5

写真5
写真はさすがにこっそり撮りました。