中国よもやま話 50
― 中国食べ歩き ‐銭塘江大逆流③ ―
今回の旅はメンバーが良すぎました。毎晩ホテルの部屋で明け方まで反省会的な酒盛りが続きます。そんなことですから、終盤になると各人が関空の免税店で買った酒も底をつき、私が面白半分高速の売店で買った、北京二鍋頭酒(写真1)でも開けるかということになりました。中国通の方なら一度は口にされたこともあるでしょう。一〇〇㏄入り三元(約四〇円)度数は五六度。悪酔いするために造られているのかと思うような酒ですが、三本が一瞬で開きました。しかしながら愛飲者も多いらしいこの酒。日本でも通販で売っているようです。あまりお薦めはしませんが、興味のある方はお試しを。
唐筆というと湖筆といわれるほど有名な産地である湖州。湖筆博物館(写真2)では製造方法やその歴史を学ぶことができます。この地では有名な筆の名店が多数ありますが、その一つ王一品を訪ねました。展示室では製造工程の実演などもされていて大変勉強になります(写真3)。
秋の長雨が続きます。中国五大淡水湖の一つ無錫の太湖にむかいます。この地では、石灰岩でできた太湖石が有名です。季節と天候の悪さもあってか、観光客はほとんど見かけません。遊覧船からは多数のジャンク(写真4)が見えます。近年中国の湖は経済発展の代償ともいえる公害問題をかかえていて、この太湖もその例外ではありません。太湖の水を飲料水としてきた無錫市民は近年、ミネラルウォーターしか口にしなくなったとか。工場は公害対策をせず、状況は深刻とも聞きます。適切な対策が取られ、美しい湖に戻ることを祈ります。
この旅も終わり。上海では浦東に出来たばかりの呉昌碩記念館を見学しました。お忙しい中、館長の呉越先生(写真5)にご解説いただきました。場所は開発の進む浦東地区。写真6のとおり中庭からは高層ビルが合わせて撮影できるような場所です。記念館の整備資金の多くは国家からのものだそうです。素晴らしい建物です。
ぜひ一度お訪ねください。
写真1
味はともかく、このビンの形に惹かれます。
写真2
唐筆の本場ならではの博物館です。
写真3
実演と日本語で詳しい説明があります。
写真4
ジャンクは何を運んでいるのか?興味があります。
写真5
熱心に解説される呉越先生。
写真6
まさに中国風景新旧の融合です。