中国よもやま話 48
― 中国食べ歩き ‐銭塘江大逆流① ―
杭州や嘉興市付近を流れる銭塘江。潮が満ちる際、津波のように逆流をおこします。干満は毎日あるわけですが、津波のように見えるのは一年の内一週間程度だそうです。このような現象がおこるのは世界でこの川と、南米のアマゾン川だけとのこと。時間を合わせてわざわざ見に行かないといけない旅行です。
逆流の一番大きくなる日はきちんと計算されていて、今回旅程の三日目日の九月二五日。それまでは周辺観光をと紹興へむかいました。魯迅古居を見学した後紹興酒の量り売りへ。当然お酒の質はさまざまで、試飲して決めると専用の容器に入れてくれます。市販のものよりかなり安いと思いました(写真1)。
夏から秋への変わり目の時期なのか雨が続きます。少し水かさの増した曲水流觴。あまりにも有名なため、最近コースに入らない蘭亭へ。かなり昔、高校時代に初めて聞いた『曲水の宴』の話。王羲之の傑作蘭亭序がここから生まれたのかと思うと心が高ぶりました(写真2)。
二日目は杭州市内の西泠印社へ。いつも駆け足での見学ですが、今回は篆刻関係の方々との旅でしたので、半日かけてゆっくりと見学。軒先の瓦に妙に歴史を感じました(写真3)。
三日目早朝より銭塘江へ向かいます。杭州市内から少々離れた嘉興市の海寧という街へ。ここは銭塘江の河口近くで、いち早く大逆流を見ることができる場所です。この日大逆流の到着予定時刻は一二時四〇分。自然現象がこの地ではお祭りであり、観光資源です。周辺には沢山の出店で賑わっていました。内容は日本と同じようなもので、輪投げ(写真4)に射的(写真5)などがやはり人気のようです。
一番多く店が出ていたのも甘栗屋(写真6)です。栗は小さめで、少々硬かったのですが、その分味わいがあり美味でした。羊肉の串焼きなどもいい香りをさせていましたが止めました。なぜかは改めてご紹介します。「中国の衛生観念は日本とかけ離れていることが多く、あまり調子に乗って買い食いすることは避けるべきです」と、再三中国の友人に言われるので今回も止めました。
写真1
一〇~二〇年物の紹興酒。当然年数で値段は違います。
写真2
夕暮れに雨。霧も出てきて良い雰囲気です。
写真3
文人たちの匂いが漂います。まだの方はぜひ一度お立ち寄りを。
写真4
中国の人達も出店が大好き。でも買い食いには御注意を。
写真5
写真6