中国よもやま話

中国よもやま話 47

― 中国食べ歩き ‐義烏にて④  ―


 義烏には専用の税関があるため、各国のバイヤ―達は、最短時間で購入したものを本国に送ることができます。このように商品を流通させられる街は珍しく、いかに特例な措置を図っているかを感じます。


 しかしながら義烏へ持っていけばどんな物でも売れるという考えで、粗悪な物が多いのも確かです。別名『偽物の街』とも呼ばれる所以です。写真1は今回4日間滞在したホテルです。『ソフィテルホテル』フランス系の高級ホテルです。友人に私が「良いホテルがとれたね」。と言った時意地悪な目をして笑ったのが到着して分かりました。見ての通りソフィテホテルです。漢字名は合っていますから、意図的なものです。写真2は皆さんご存じの日本製マジックペンの偽物です。なぜ『サカナ』になったのでしょう理由は別にしてこの手の物が沢山あります。


 店頭に気に入った商品があってもあくまでサンプルですから、同じ物が届けられるとは限りません。むしろできないことがほとんどでしょう。
友人に「注文するときはどうするの」。と聞くと、確認条件を教えてくれました。まずは日本と取引があるか。あればどこの会社か。そして作っている工場まで見に行くそうです。改めて中国取引の難しさを感じました。


 写真3は店先でボタンを作っています。このように店頭で適当に加工しているような商品は、不良率が良くて2割以上。悪いと8割が不良品などということもあるようです。ではどこへ売るのかというと、中国より後進国の中東やアフリカの諸国です。バイヤーは各店の不良率をおおよそ分かっていて、おまけを付けさせます。たとえば不良率2割の店で1,000個買う場合は1,200個にさせます。本国では不良品を直してでも売りますからもっと儲かるとのことです。ただ皆さんご存じのとおり、今や金持ちの中国人は義烏の品より日本製が目当てです。


 写真4はこの市場の前号で紹介したのとは違う食堂。ここはわりと綺麗で、名物義烏ラーメンを食べました。味は上々。では本物の義烏ラーメンをと老舗へ。出された鶏の首の煮物。味は美味いが、非常に辛い。食べ物だけは本物ばかりの義烏でした。(写真5)











写真1

写真1
本当にソフィテルが来たら。と聞くと「名前を変えればいいだけさ」と。
写真2

写真2
「サカナ」以外に「やっと」「ツエン」など意味不明な名前の品も。

写真3

写真3
他にも店先製造の売店が多数。造れば売れる?
写真4

写真4
衛生的な店は少し高い。
写真5

写真5
鳥の首肉はあまりありませんが、とても美味しい。