中国よもやま話

中国よもやま話 21

― 江南に遊ぶ③ ―


 旅程三日目。今回の旅行の見どころ紹興市上虞(県級)市―曹娥孝女廟、紹興市嵊州(県級)市―王羲之墓、台州市天台県―天台山国清寺を訪ねました。
ここで中国の行政の単位(複雑なのですが)を少しお話しますと、北京・上海・天津・重慶の四つの直轄地と、二十二の省(今回尋ねているのは浙江省)。五つの自治区(チベット他)と、二つの特別行政区(香港・マカオ)があります。これらは日本の都道府県にあたります。その下に地・県・郷・村級となっていきます。直轄地は最高位の都市で、省と同格に扱われます。一般的には省と比べ、面積が小さいことが特徴ですが、重慶などは三〇〇〇万人以上。他の三都市も一~二〇〇〇万人程度の人口が住んでいますので、地方の省などは人口では及ばないところもあります。地は市、県は郡、郷以下は村、と理解していただけると良いかと思います。


 写真1は曹娥孝女廟前の風景です。穏やかな川の流れに浮かぶ船と、一面に広がる菜の花畑はまさに春爛漫。
しかし昔を知る方々からは、菜の花畑の面積は確実に減っているとのことです。見学が終わり、バスへ帰る道すがら、なにやらおばさんが天日で干しています。この地の名物芥子菜(からしな)の漬物だそうです。(写真2)
 個人的に王羲之の墓参は大いに楽しみでしたが、沿道に咲くすみれの可愛さに目を奪われました(写真3)。結局一緒に帰国。来春には王羲之すみれが私の庭に咲くことでしょう。


 天台山は将来世界遺産を目指しているのでしょう。目先の利く資産家は、早くもこの地に五つ星ホテルを建てました。レストランのメニューコーナー(写真4)です。また別のコーナーでは生きた食材を置いています。写真5はこの手の場所には必ずいる蛇。食べるとおいしいのですが、「これください」といいにくいしろものです。





写真1

写真1
書源旅行にご参加いただくと、皆さんこんな表情になります。
写真2

写真2
いただいた芥子菜の漬物は、塩気がきいてとても美味でした。
写真3

写真3
すみれ以外に、参拝道には無数の花が咲いていました。
写真4

写真4
表には無数の外車とお忍びのカップル。もう昔の中国はありません。
写真5

写真5
本当に蛇嫌いですが、食べると美味しいのです。