中国よもやま話

中国よもやま話 19

― 江南に遊ぶ① ―


 浙江省は上海市の南に隣接した街、杭州を省都にした、中国屈指の経済発展を成し遂げた、いわばお金持ちの多く住む地域です。
杭州といえば白居易や蘇東坡がその美しさを詩に詠じた西湖があります。マルコポーロが「世界で最も華やかで美しい街」と絶賛したともいわれるほどです。年間平均気温が十六度前後と温暖で、豊富な水源に恵まれた穀倉地帯からは、多くの文人墨客を輩出しました。


 現在中国には、三十一ヵ所の世界遺産が登録されていますが、浙江省内には登録されたものはありません。今回の旅で訪れた、天台山や雁蕩山などは、近い将来の登録をうかがってか、非常に整備されていました。
いずれにしましてもこの方面は日本で紹介されていない場所が多く、まさに『ミステリーツアー』ともいえる内容でした。紙面をお借りしまして、ご指導いただきました川村龍洲先生に感謝いたしますとともに、ご参加いただきました皆さまにお礼を申し上げます。と、いうことで深い内容は龍洲先生にお任せするとしまして、私はいつものとおり柔らかい食べることの内容で。


 写真1は上海から嘉興へ向かう高速道路の売店です。約一時間前に昼食を取ったばかりですが、どうしてもなにか買ってしまいます。
夕方、上海と杭州の真ん中あたりに位置する、嘉興の街に到着しました。この街には中国一有名な粽の名店『五芳斎』があります。まず驚いたのが店内の美しさです。ファーストフード店形式で、好きな粽を頼んで各自テーブルに運び食べるのですが、このおいしさは言葉にあらわせません。(写真2、3)


 いつものことですが、地方色豊かな食事をご提供するのは当然ですが、今回重点をおいたのが、江南の最高の料理を食べていただくことです。とはいうものの、昼食から二十品以上の料理を、軽々と平らげていかれた皆さんの、胃袋の強靭さには敬意を表します。私の感想としてはこの企画は少々失敗。


やはりラーメンや焼き飯もないと、ご馳走がなんなのかわからなくなります。(写真4)











写真1

写真1
名店の料理よりも、売店で買ったものが旨く感じるものです。
写真2

写真2
まさに世界大手のハンバーガー屋さんを意識したつくりです。
写真3

写真3
肉入りの粽。味見のつもりがこのあと皆さんでいくつ食べた事やら。
写真4

写真4
初日の夕食では必ずします。自己紹介。司会も必ず江口先生です。