中国よもやま話 18
― 春節事情 ―
日本では旧暦という言葉をご存じでも、影響を受けられる方は、極めてすくないことでしょう。しかしながら中国では今も生活に大きく影響しているのです。
今年の二月七日は春節(旧暦の元旦)でした。旧暦(陰暦や農歴などとも呼ばれます)はその年によって変わりますので、昨年の春節は二月一八日。来年は一月二六日です。
中国人も普段の生活は、諸外国同様新暦なのですが、伝統的な行事の端午節(端午の節句)や、中秋節(十五夜)は旧暦を使い、国慶節(建国記念日)や労働節(メーデー)は新暦で過ごすのです。こんなことですから、旧暦の行事は直前まで日にちを認識していない人もいます。
中国のお正月は、日本に比べると、かなり派手ですし、消費も多くなります。都会は別として、地方(特に農村など)では普段おしゃれをする人はほんの少しですが、最近ではパーマをしたりする人もでてきました。
地方からの出稼ぎ労働者などは、故郷に待つ家族と過ごすために、年に一度帰るのですから、当然長期の休暇になります。飛行機などで帰れる人はほとんどいませんので、汽車や路線バスなどを乗り継ぎ、何日もかけて往復します。大都会に住むサラリーマンなどは、一週間程度の休みですが、そうでなければかなりの長期間休むことになります。
今年は五〇年ぶりの大雪のせいで、上海、江蘇省、浙江省、安徽省などで交通が止まった時期に、春節が重なったために、大混乱となりました。
そんなに苦労して迎える春節を、中国人はどう過ごすかといいますと、
毎日自分の家や親せき、あるいは友達の家などを招き招かれ、ただただ食べて飲むのです。
各家は人を招くと同時に、福も招く意味から、家の門にめでたい言葉(喜字)を書いた対聯(江聯ともいいます)を飾ります。昔は家長や村の字の上手い人に書いてもらっていましたが、最近は印刷のものも増えたようです。私はこの対聯が大好きで、良いものを写真に残すのが趣味です。今回は皆様にコレクションを少しご紹介いたします。
だらだらと過ごした後、仕事のペースが上がらない我々と、取引されている日本の皆様にとって、春節は頭の痛い行事であろうと思います。
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