中国よもやま話

中国よもやま話 12

 二〇年近くなりますが、私が初めて日本を訪問した際、一番驚いたのは街中にある、夥しい車の数でした。当時中国人の主たる交通手段は、自転車でしたから、個人的に車を持っている日本人の生活を、羨ましく感じました。


 そんな中国が、いまやアメリカに次いで、世界第二位の新車登録台数を誇る国になりました。といいましても、その多くが経済発展した沿岸部に集中していますから、上海などでは、慢性的に渋滞が起こっています。日本のように道路や鉄道(地下鉄)などが整備されていますと、良いのですが、整備途上で車だけが急に増えたのですから、特に朝夕は悲惨な状態です。


 車を購入する際の手続きで、日本と違うのは、車の購入と同時に、ナンバープレートも購入しなければならないことです。日本の皆さんにはなじみが無いことでしょうが、携帯電話なども、電話本体と電話番号は、別々に購入するのが中国流ですので、
私達には馴染んでいます。
 問題はその料金です。通常三千元(四万八千円)程度ですが、上海ではなぜか、一万元程に上がります。また、ある程度希望の番号を選べるとなると、四万元(六四万円)にもなるといわれています。


 中国人は「8とか9」の番号を縁起が良いといって、特に好むのですが、こういった数字が並んでいたり、末尾についたものを指定すると、とんでもない金額になるそうです。
プレート料は、発行した公共機関(上海ですと上海政府)に収められ、道路の維持管理に使われることになっているのですが、実際にはどうなっているのか分りません。こんな具合ですから、当然購入する側としては、対策を講じることになります。一例としては、上海に住む人が、ナンバープレートの登録料の安い、近隣の江蘇省や浙江省で登録するのです。年に一度の車検(中国は一年車検です)には、登録をした省内で車検を受ける必要がありますが、これも代行業者がいて簡単にしてくれます。一台ではなく、何台も持っている金持ちも増えています。しかし増え続ける車のために、不便をしている人達も増え続けています。





写真1

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上海市内からは、通勤のための自転車の大軍は、姿を消しました。
写真2

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江蘇省番号の車。上海市内を走る多くは、外車です。
写真3

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問題の上海ナンバー。三水偏に戸が上海の印です。
写真4

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浙江省番号の車。駐車場にはいろいろな省で登録した車が並びます。