中国よもやま話 116
― 中国食べ歩き ‐古鎮めぐり㊵‐明光
明光市内から女山湖へ向け約30分行った農道ぎわにある老大郢(ろうだいよう)村(写真1)。斯さん曰く「40年前故郷の田舎町でもこんな粗末なことなかったわ」とのこと。
話は変わり、ここからお食事中の皆様申し訳ありません。私の住む泉州は玉ねぎの産地。田園風景がひろがる中たまにあった悲劇。冬場など凧を揚げようと走るのが突然消えます。当時有機肥料は畑につきもの。そう土色と同化したあそこへ・・・ポチャリ。母親が言うには「落ちたら名前替えんと」と。でも落ちたのが名前替えたのはいませんでしたが。いや、なんでこんな話になったかというと、この村全体がそんな感じ。家畜小屋からの糞尿が垂れ流しのまあ素晴らしい香りに包まれたところです。しかしながら実はこの地域、明の初代皇帝洪武帝(朱元璋)の故郷。両親の墓もあるそうな。過日この村で映画『朱元璋』のロケもあったそうです。そんなことを聞くと悲しい程単純。村の中が芳しい空気に包まれているような気さえしてきました。正に思い込みだけです。
村を後にした車中「朱元璋の故郷やからなあ」と意味深な斯。向かうのは斯さんが働く女山湖を昔から管理する曹操の末裔、曹士高氏にご挨拶に伺います(写真2)。何しろ地元では立派な人。それだけにウカッとしてると今宵は取り囲まれ、白酒浸けにされます。曹さんからは予想通りメシの話。でも斯は名所巡りを理由に頑張り、メシは次回ということに。別れ際「朱元璋関係の名所は隣町の鳳陽にあるよ」と曹さん。「そうなの?」と斯。「ヨ~調べんと俺を連れまわす気やったな!」と私。でも言うとスネルので黙ってましたが。
鳳陽県は明光から北西に約50㎞離れた街。「どうせ大したこと無いやろ?」との思い込みを反省させられる凄い街でした。かなり離れた場所からも見える巨大な建物は旧鼓楼の石積みと朱元璋展覧館。資料によるとほとんど近年再建されたものですが、一部明代の石積みが残ります。天気も良く広場は憩いの場。思いもよらなかった良い光景です(写真3、4、5)
写真1
土壁に藁葺。塀は石を積んだだけ。
写真2
女山湖前で曹さんと。
写真3
そびえ立つとはこのこと。とんでもない大きさです。
写真4
この部分は明代の物。
写真5
広場での一幕。こんな光景が一番イイ。