中国よもやま話

中国よもやま話 115

― 中国食べ歩き ‐古鎮めぐり㊴‐明光
 
 
 振り返ること20数年前。私は独身生活を謳歌!とは言い難い年代に差し掛かっていました。そんな矢先、出会い頭の事故(ということにしておきますが)我が家の会長と接触してしまう訳です。事故の前日、親しい仲間と毎冬恒例、城崎方面へ蟹を食しに。正にそれが最後の甲殻類晩餐になることも知らず満ち足りておりました。
 
 元々食物アレルギー等感知しない鈍感な身体ですから「蟹チャーハンの素使ったら唇腫れたわ」などと布石とも言える言葉を聞き流したことが失敗。その後長きにわたり我が身に降りかかる食の不自由を知らず惚れた弱み、結婚に至ったことを取り返すことが出来ない行為と悔やんでみても後の祭り、我が家の食卓にエビ、カニが絡む料理は未だのぼることはありません。しかし子供も含め洗脳とも言える我が家の会長の舵取りに、異議申し立てなどできるはずも無く今日に至っているのです。
 
 中国料理から甲殻類を取り除くとなんと味気ない。ですから日頃の欲求を晴らすべく、この時とばかりに食べまくります。特に蟹は大好き。代名詞の名も値段も高い上海蟹は、蘇州陽澄湖産の正宗は数が少ない上に水質汚染などもあり、富裕層は水質の良い場所で獲れる同種の中国モクズ蟹をネットで買い食べているとのことです。
 
 明光の一大産業は淡水漁業。その大きな漁場が女山湖です。当然蟹の品質は最高ですので、中国各地からの引合も多く、正に金を生み出す湖です。蟹が美味しいのは秋。立ち寄った春は出回ってはいません。が、「ザリガニ美味いで~」と嬉しいささやき。そういえば市場はアメリカザリガニばかり(写真1)。ただゆでるだけではなく、油と甘辛く匂いの強い調味料で炒めていただきます。露店からは良い香りがあふれひきつけられます。どの店も調理担当は若いお兄ちゃん(写真2)癖になる味です。注文もここは産地ですから、㌘単位でどんどん追加が出来ます(写真3)。
 
 今や地元民斯さんお勧めの宿は日本でいうクアセンターのようなところ。宿泊費も2人部屋で朝飯付260元。環境も衛生も文句なし。朝店前で記念写真の自転車旅行のご婦人。内蒙古から来てラサを目ざしてるのだそうです。旅の安全をお互い祈りました(写真4)。
 手に付いたザリガニの香辛料が強烈で匂いが消えません。3日後帰宅すると厳しい顔で、「あんたの臭いで唇腫れるがな」と我が家の会長。どこまで言うねん!
 
 

写真1

写真1
「うちのは太って美味いよ~」
写真2

写真2
鍋振りにも師弟関係があるみたい。彼が親分のよう。
写真3

写真3
頭からがぶりといきます。
写真4

写真4
「ここまでで1000㌔は越えたよ」ですと。