中国よもやま話

中国よもやま話 49

― 中国食べ歩き ‐銭塘江大逆流② ―


 銭塘江は別名折江、曲江などとも呼ばれる大河です。淅江・江西両省の境にある仙(せん)霞(か)嶺(れい)山脈(標高約一五〇〇㍍)に源流があります。別名のとおり蛇行しながら、杭州湾に流れ込みます。河の形状が複雑で、河口周辺がラッパ状に極端に広がっていること等が原因で、逆流現象である海嘯(かいしょう)(大逆流)が発生します。干満によって起こる現象ですので、毎日2回小さな海嘯が起こっているそうですが、中秋の名月(今年は九月一二日)、旧暦の十五夜の頃最も大きな海嘯が発生するのです。
以前からテレビなどで良く見ていましたので一度行ってみたいと思っていましたが、何分自然現象ですから、旅程を合わせなければなりません。


 世界的に有名になった海嘯のため中国全土はもちろん、世界中から一目見ようと観光客が集まってきています。(写真1)河を見るためだけなのですが、立派な観光資源。利権が発生していますから、厳重にゲートが設けられチケットが無いと堤防の周辺にも近付くことができません。ただ席位置等を詳細に案内する看板もありませんから、時間が迫っているにもかかわらず見物場所がわからず困りました。(写真2)


 やっとの思いでたどり着いた見物席。当然席代の一番高い場所なので、日除けのパラソルの付いたテーブル席。周りをみると何処から来たのというほどの日本人。
杭州市内から持ってきた焼き肉弁当(写真3)を食べながら、大逆流を無事見物(写真4)。波の高さは約1.5㍍。ガイドさんによると「河に新しい橋が多く架かったこともあり大きな波にならなくなっている」とのこと。


 人の多い観光地の悩みは帰り道の大渋滞。特別な駐車場があるはずもなく、バスが来るまで地元の食堂の椅子を借りて待つこと約1時間(写真5・6)杭州のホテルに帰るともう夕方。ロビーでは中国人の新郎新婦が招待客を出迎えていました。その煌びやかさに今の中国の豊かさを感じました(写真7)。









写真1

写真1
見物客で堤防はごったがえしていました。

写真2

写真2
場所がわからず警備員に席を聞く。

写真3

写真3
圧巻の大逆流。
写真4

写真4
焼き肉弁当。これが意外に美味。
写真5

写真5
大渋滞の上に事故。最悪。
写真6

写真6
食堂前の椅子を拝借して待つ。
写真7

写真7
ニヤケタ新郎。私に似てるとか。