中国よもやま話

中国よもやま話 20

― 江南に遊ぶ② ―


 書源五〇〇号に自分のページがあることを非常に光栄に感じています。これからも楽しんでいただけるページ作りを心がけたいと思います。


 二日目は嘉興から杭州へむけて移動します。途中、水郷の街烏鎮に立ち寄りました。一二世紀宋代に特産物の生糸で発展したこの街は、街の中に縦横に水路が走っており、その水路を往来する手漕ぎの船と、古民家の建ち並ぶ風景の美しさ、そしてなにより素晴らしいことは、この街には人々の生活があることが(写真1)、この地ならではのものでしょう。


 白酒を醸造販売している店がありました(写真2)。甕の中からすくい、ちょこに入れてくれたものを試飲しますが、そのおいしいこと。
烏鎮は縦長の街並みで、奥まで歩いて昼食。そして船で入口まで帰ることにしました(写真3)。船からみるのどかな風景と、さわやかな風、そして中国の匂い。何百年の時をタイムスリップした感じを受けました。


 杭州では、恒例の劇場鑑賞です。『西湖の夜』と名付けられた民間舞踊・伝統劇・雑技をミックスさせたうえに、音響効果・光・水などをからめたダイナミックな演出の劇です(写真4、5)。


 七年程前からはじめられたそうですが、毎夜大入り満員だそうで、良い席は必ず予約されておいた方が良いと思います。数十人を超える出演者が次々と披露する演技に、六〇分の公演時間が一瞬に感じられました。






写真1

写真1
川の水で洗濯する女性たち。今もこのような生活があります。
写真2

写真2
酒蔵の中で試飲すると、すぐに白酒好きになってしまいます。
写真3

写真3
前を行く船と景色と。同じ風景を、何百年前の人も見たことでしょう。
写真4

写真4
迫力と、スリルと、可憐で優美。そんな時間でした。
写真5

写真5
繊細な手先の動きに魅了されます。