中国よもやま話

中国よもやま話 104

― 中国食べ歩き ‐古鎮めぐり㉘‐高郵


 毎度突然ですがラブレターとか書いたことありますか?私?当然あります。特に高校時代は交換日記とか思い出すだけで青春!なんて感じです。携帯やメールじゃないハラハラ・ドキドキが正にアナログ。受け渡しも体育館の裏とか、何時間目の休み時間とか馬鹿な話ですが、勉強もせんと必死にそんなことばかり考えてました。なにも悪いことするわけではないのですが、結構邪魔が入って受け渡しが上手くいかなかったり、大変でした。
さて話は本題。高郵の市場である南門大街を抜けるとこの街のシンボル古孟城驛があります。造られたのは1375年明時代の始め。ここは北京と南京(両京)の間におかれた重要な関所の1つなのです(写真1)。約5000坪という広大な領地から関所の重要性を感じます。両京間の情報(手紙)の真贋を確認する関所数はこの地図(写真2)によると47か所。「チョットハンコもらうの忘れました~」などとお気楽に帰ろうものなら、スパイ扱いされて恐ろしい拷問を受け即刻死罪にされたことでしょうから、かかわる人間もそれは命がけの仕事であったに違いありません。現在のメールのウイルス的な物もあったでしょう。関所の人間を全て買収してしまえばウソの情報が流れるのですから、情報を送る方も何重にもセキュリティをかけたことでしょう。重要な通過証明である高郵驛の封泥や印が数多く展示され、当時の情報伝達のシステムの厳重さを理解することができました。
中国人向けガイドブック(残念ながら日本語の古鎮訪問記は江南の物しか知りません。北方のものをご存知の方、是非ともお教えを!)高郵のページに大きく載っているのが「鼓楼」。屋根のそりもエエ感じ、国家重要保存建築物に指定されていることもあり、手入れも良く繊細で美しい建物です。古鎮狂の友人からの写真を見て一発で引き付けられました。上部には名前の通り太鼓があり、今も朝夕時を伝えているそうです(写真3、4)。雨に濡れる鼓楼から見る高郵の街並みには、明時代のたたずまいさえ感じられました(写真5)。
私メールは苦手。やっぱり手書き。そうでないと伝わらないことがありそうですが。この時代古いですかね?







写真1

写真1
肉厚で重厚。堂々とした文字。
写真2

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両京は歴史上重要な都。
写真3

写真3
威厳の中にも繊細さがあります。
写真4

写真4
今も鳴る太鼓。
写真5

写真5
明代の街並みを再現しているそうです。