中国よもやま話

中国よもやま話 7

― ベトナムを旅する 4 ―


 フエから海岸線を南に約一〇〇km ホイアンの街を目指します。途中、日本の経済支援により、二〇〇五年に開通した、東南アジア最長のハイヴァントンネルを通ります(写真1)。 


 このトンネルが王朝の街フエから、国際貿易港のダナンそしてリゾートエリアを目指すホイアンへと、中部ベトナムの発展に貢献することが期待されています。ただ整備された地域の裏側、途中休憩した土産物店の周りで、数人の子供たちが裸足でサッカーらしい遊びをしていました。お兄ちゃん達と一緒に遊べない小さい男の子が、我々に気が付き近づいてきました。子供が口にした言葉は「お金」。一瞬言葉を失ってしまいました(写真2)


 海岸沿いのホイアンは貿易の盛んな街であったことから、一六世紀頃には、一〇〇〇人も住んでいる日本人街があったそうです。この街は古い建物と生活習慣をに今も伝えながら、生活が営まれていることから、街全体が世界遺産になっています。


 建造物の中でも第一にあげられるのが、日本人が当時作った来(らい)遠橋(おんばし)(日本橋)です(写真3)。中部ベトナム観光には絶対出てくるほど日本と中国そして熱帯地域の匂いが溢れ出すところに魅力を感じました(写真4)。


 私はこの旅行で、街のあちらこちらで見かける漢字と、何か違うベトナム漢字。そして今はフランス語と英語とロシア語とベトナム語。ベトナムの真なる文化は?この国の歴史が物語るものを感じました。そしてこれからも経済支援を受けるこの国は、諸外国の影響を文化的にも受けざるを得ないことでしょう。私は日本の文化をもっと大切にしようと感じながら帰国の途に着きました。


 月並みですが、旅行には出会いと発見が必ずあります。次回の書源社旅行は成都方面の世界遺産を回ります。ベストシーズンの中国へ、皆様のご一緒をお待ちいたしております。

写真1

写真1
一時間が一〇分に短縮された。でも現地の人は簡単には使えない。
写真2

写真2
このハングリーさがこの国を発展させると願いたい。
写真3

写真3
日本人が作った橋。でも日本の純粋な匂いはしない。
写真4

写真4
世界遺産らしい生活習慣の維持と、観光化した実生活と。