中国よもやま話

中国よもやま話②

 皆さんは旅行やビジネスで使う乗り物というと何が一番にうかびますか。国土の広い中国では、大都市間の移動には飛行機が一番便利です。しかしながら長い間人民の一番ポピュラーな移動手段は汽車でした。荷物が多くて、予算が少ない人にはぴったりですが、日本の新幹線のように高速電車ではありませんから、たいてい何日もかけて旅をするわけで、外国人や、お金持ちの乗る軟座(グリーン車)では無い限り、決して快適とはいえませんが、車窓から見える大陸独特の風景や、停車駅で買う食べ物など、変化に富んでいて楽しいものでした。


 そんな中最近は中国国内の高速道路が整備されてきたこともあり、高速バスでの移動が多くなってきました。費用は汽車より割高であるものの、混み合った広い駅舎の中、荷物を持ち歩く大変さに比べ、バスステーションは近代的な建物も多く、荷物の持込も楽にできるようになっています。


 写真1・2・3は上海駅のすぐ近くにあるバスステーションの写真です。中は写真のとおり、バスの行き先や時間などを電光掲示板で表示しています。乗り場は一階と二階にありますが、色々な方面にバスが出ていきますから、乗り場を間違えないようにしなければなりません。上海にはこのような大型のステーションが、私の知る限り四ヵ所あります。
 バスに乗るには当然切符を買わなければなりませんが、ここで登場するのがダフ屋です。ダフ屋から買うと、二、三割安く買えるのですが、正規品ではありませんから、いざバスに乗ろうとすると席が無かったりして困ります。私も買ったことはありますが、よくトラブルに巻き込まれた中国人が大声で怒鳴っている光景を目にしますから、よほど冒険心のある方でないとお勧めできません。


 バスの中は写真4・5の通り決して美しくはありませんからあまり良い格好で乗られることはお勧めしません。大型の荷物は全て荷物室に入れますが、最近この荷物室に、大型のスーツケースに入り、忍び込む泥棒事件が頻発しているとのことです。乗客として乗る相棒と携帯電話で連絡し合い、他の荷物を荒らし終われば次の停留所で一緒に降りるという手口です。いやな話ですが、私は幸い被害にあったことはありません。バスのたびの良いところは、隣り合う人と仲良くなれること。地方独特の話や、言葉を教えてもらえるなど、その魅力はつきません。

写真1

写真1
ここは上海で最も新しいバスステーションです。
写真2

写真2
各方面への時刻表示を確認する人で常に混雑しています。
写真3

写真3
バスの待合コーナー。空港と変わらないくらい設備は充実しています。
写真4

写真4
夏は竹製のシートカバーをしていますが、あまり快適とはいえません。
写真5

写真5
乗客は途中乗降が多い。うるさい乗客がいると落ち着かない。